統合失調症と言われたときは、これまでの生活が全部変わってしまうんだと思い込んでいた。
確かにできなくなったことも少しはあったけれど、だんだんと病気が良くなってきたら、元の生活に戻れるんじゃないか、って思えるようになったんだ。
統合失調症になっても僕の人生は僕のものなんだ。
あきらめることばっかりじゃなくて、前を向いて一歩ずつ歩いていこう。
「やりたいこと」を「できること」にするために。
統合失調症とは?
感じ方や考え方、行動をまとめることが
うまくいかなくなる脳の病気です。
幻覚や妄想があらわれたり、
意欲の低下や感情の鈍化があらわれたりします。
100人に1人くらいの人がかかるといわれていて、
珍しい病気ではありません。
統合失調症は適切な治療を行うことで、
少しずつ回復に向かっていきます。
統合失調症だからって
あきらめない。
できることを
増やしていくんだ。
平岡和也 26歳
就労移行支援施設でリハビリ中
まじめで優しい性格。草野球チームで、ピッチャーとして活躍していた。
大学卒業後、食品会社に就職し営業部に配属された。思ったように営業成績が伸びず、悩む日々が続いていた。
2年前に、会社ですれ違う人みんなから悪口を言われているように感じ、上司に相談したところ、精神科の受診を勧められ、統合失調症と診断を受けた。
治療のため退職したが、現在は症状が落ち着いており、もう一度「一般企業に就職したい」と思い、リハビリを行っている。
更新日:2024年3月25日 公開日:2020年7月27日
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コンテンツ
僕は今、
前を向いて歩いている
できることが増えるのがうれしくって、
毎日リハビリに取り組んでいるんだ。
登場人物
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長浜忠彦 31歳
家に引きこもりがちで、コミュニケーションも思うようにいかないこともあり、自信がなくなってしまった。
以前のように外出できるようになるには、どうしたら良いか悩んでいる。 -
市川彩 28歳
リハビリに取り組んできたかいもあって、1人でできることが増えてきた。
そろそろ働きたいと思う気持ちもあるが、ちゃんと仕事ができるのかな?という不安も大きい。 -
平岡和也 26歳
2年前に統合失調症を発症し、治療のため退職した。
現在、症状は落ち着いて、リハビリも順調に進んでおり、以前のように一般企業への就職を目指している。 -
河原優香子 23歳
自分の病気の全部をわかってもらうことができなくて、歯がゆさを感じている。
同じ病気を持つ仲間ならわかってくれると思い、仲間を探している。 -
中竹賢人 24歳
統合失調症の療養生活が長くなり、生活や医療にかかる費用の負担が大きくなってきた。
社会保障制度には、どんな制度があって、どのように利用したら良いかを教えてほしい。 -
嶋田聡志 56歳
総合病院、精神科の部長。
日本精神神経学会専門医で統合失調症の診療経験が豊富。患者さんを中心とした治療をモットーに、一人ひとりに寄り添った治療を目指しつつも、理想と現実のギャップに悩む日々を送っている。
趣味は野球観戦とジム通い。
【監修者】
北里大学医学部 精神科学 主任教授
稲田 健 先生
北里大学医学部を卒業後、精神科医として20年以上にわたり多くの統合失調症患者さんを診療してきました。また、日本精神神経学会の専門医・指導医、日本臨床精神神経薬理学会の専門医にも認定されています。精神疾患の当事者の皆さまが社会で自分らしく安心して暮らせることを目指して、特に精神科の薬物治療の研究に日々取り組んでいます。