双極性障害と聞いたときは何もわからなかったわたし。
病気のことを人に言えずに落ち込んだり不安になったり、
時には周りの人が驚く行動をしたりして、心配をかけることもあった。
でも、それも全部わたしなんだ、って気づいたの。
病気を受け入れて、わたしを受け入れて、
わたしらしい毎日を過ごしていこう。
双極性障害とは?
気分が高まる躁(そう)状態と
気分が落ち込むうつ状態を
くり返す脳の病気で、
性格や心の問題ではありません。
以前は「躁うつ病」と
呼ばれていたこともあって
「うつ病」と間違われやすいのですが、
全く異なる病気で治療法も異なります。
えっ…双極性障害…?
私、うつ病じゃなかったの?
白石真夏 27歳
都内企業で働くOL
まじめな仕事ぶりから責任ある仕事を任され、仕事量が増え気がついたら朝まで仕事をしていることも続いた。ついに体調を崩し、心配した上司から受診を勧められ、「うつ病」と診断された。
うつ病の治療薬を飲みながら、仕事に復帰したが、なかなか良くならなかった。最近、医師に「何日か徹夜で仕事をしても元気」「気が大きくなって高額な買い物をしてしまった」という経験がないか聞かれ、思い当たることを伝えてみた。すると、私の病気は「うつ病」から「双極性障害」という診断に変わり、うつ病とは異なる新たな治療が始まった。
更新日:2024年3月25日 公開日:2020年7月1日
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コンテンツ
今の自分を受け入れて
前を向いていこう
双極性障害と診断されて、
新しい治療に変わったら、
良くなるのかな?
登場人物
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嶋田聡志
56歳 総合病院 精神科 部長日本精神神経学会専門医で双極性障害の診療経験が豊富。患者さんを中心とした治療をモットーに、一人ひとりに寄り添った治療を目指しつつも、理想と現実のギャップに悩む日々を送っている。趣味は野球観戦とジム通い。
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安野かえで
21歳 大学3年生外国語を勉強中。ダンスサークルの部長。
半年前にうつ病と診断され、うつ病の治療を続けているが、なかなか沈んだ気分が晴れないことに不安を感じている。 -
後藤大輔
29歳 車の整備工場勤務人づき合いは苦手。もくもくと作業することが得意。うつ病から職場に復帰するも、気分に波があることもあり、元の状態に戻らないことに焦りを感じている。
監修:順天堂大学医学部 精神医学講座 主任教授 加藤 忠史 先生
【監修者】
順天堂大学医学部 精神医学講座 主任教授
加藤 忠史 先生
東京大学医学部を卒業後、滋賀医科大学、東京大学の精神科で診療・研究に従事し、その間、アイオワ大学でも研究に従事しました。理化学研究所で20年間、双極性障害の研究をしていましたが、2020年4月に、順天堂大学精神医学講座という臨床現場に戻りました。双極性障害と共に生きる人たちが、自分らしく人生を送れるようになることを願って、診療、研究に取り組んでいます。